【2026春季都大会展望】帝京高校は安藤次第

 

高校野球ドットコムから借用 https://www.hb-nippon.com/articles/10639

——夏を見据えた「リスク管理」としての新機軸シミュレーション

センバツでは中京大中京を相手に、延長タイブレイクまでもつれ込む激闘を演じた帝京高校。あらためて「名門復活」を全国に印象づけましたが、その興奮も冷めぬまま、早くも春季東京都大会が開幕します。

今回の春季大会、私が注目したいテーマは**「夏を見据えたリスクマネジメント」**です。

もちろん、投打の大黒柱である安藤丈二選手が春の大会でマウンドに戻る可能性は十分にあります。しかし、あえてここで一つの仮定を置いてみたいと思います。

「もし、このまま春も安藤投手の登板がなく、夏の都大会でも登板はおろか守備に就くことも不透明な状況が続いたら——」

ファンとしては胸が痛む仮定ですが、勝負の世界ではこうした「ワーストシナリオ」を想定し、その条件下で最高の結果を出す準備をすることこそが、王座奪還への最短距離となります。安藤選手がDH(指名打者)に専念するという制約下で、いかにチーム力を最大化させるか。そのための3つの重要課題を考察します。

1. 過酷な夏を勝ち抜く「盤石の継投体制」の整備

シードから登場しても3回戦から決勝まで、約2週間で6試合を戦い抜くハードな日程。さらに準々決勝以降は、例年7月23日~30日頃と、最も暑い時期のデーゲームが続くことを考えると、仁礼パスカル投手を軸にしつつも、明確な役割分担を確立し「投手陣」として向かっていくことが不可欠です。

  • 先発: 対戦カードによっては、仁礼投手を休ませて試合を作れる別の先発(植草投手成田投手)を立てる勇気が必要でになります。彼らが完投能力をこの春に示せるかが鍵となります。

  • セットアッパー: 仁礼投手が疲労で見え始める終盤に、右本格派の岡田投手を投入。重いストレートと鋭い落ち球という「質の違う強い球」を7・8回にぶつけることで、試合のリズムを引き戻します。センバツ2試合で7失点(初戦の沖縄尚学戦、仁礼が残したランナー二人の生還を許したという意味では9失点)と安心できるリリーバーとは全く言えなかった岡田が2イニングを抑えるセットアッパーもしくは試合展開によっては3、4イニングを投げる第2先発のような立場になれるかどうか。

  • 守護神: そして9回。現有戦力で群を抜く最速150kmを誇る目代選手をマウンドに送ります。公式戦の登板実績こそありませんが、1イニング限定であれば、全力のフォーシームで空振りかファウルでカウントを稼ぎ、ツーシームが投げられるのであれば、微妙に芯を外し、打ち取る。基本は速球系の球威だけで、打者をねじ伏せるだけのポテンシャルは十分にあると思います。「仁礼→岡田→目代」という必勝リレーが確立できれば、投手・安藤不在でも、夏の頂点への道筋がみえてきます。

    2. 蔦原選手による一塁守備の「習熟」

    安藤選手がDHに専念する場合、ファーストを守る蔦原選手の実戦経験が極めて重要になります。センバツでは「急造一塁手」としてカバーリングなどの状況判断にまずさが目立ちましたが、これは紛れもなく実戦経験不足ゆえのもの。この春、一つひとつのプレーで「一塁手としての勘」を研ぎ澄ませ、内野に安心感を与えられる存在になれるかがポイントです。

    3. 「DH安藤」が打撃のリズムを掴めるか

    「一番良い打者を最初に」という方針から「1番・DH」で起用された安藤選手。しかし、守備に就かず打撃だけに集中するという役割にリズムを狂わされたか、センバツ2試合で7打数0安打と沈黙しました。帝京打線がその破壊力を発揮しきれなかった要因に、安藤選手のブレーキがあったのは間違いありません。この春、安藤選手がいかに「DHとしての調整ルーティン」を確立し、本来の打棒を取り戻せるかが、チームの得点力を左右します。

    「すべては、安藤丈二の起用から始まる」

    このチームにおいて、安藤選手はキーパーソン中のキーパーソンです。 安藤が投げられるのか。 安藤が投げられないけれど、守備には就けるのか。 はたまた、投げることも守ることもできず、打つだけになるのか。

    安藤選手の状態一つで、帝京のチーム構成はがらりと変わります。明日の帝京の初戦、スコアボードの「安藤」のポジションは何と記されるのか。その起用から目が離せません。

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